産前産後休業中の手続き
1. 産前産後休業中の社会保険料の免除
平成26年4月から、産前産後休業中も事業主・従業員ともに社会保険料が免除になりました。
届出先:加入する健康保険(管轄する年金事務所または健康保険組合)
期日:産前産後期間中
申請書類:産前産後休業取得者申出書
2. 出産育児一時金
支給金額:
1児ごとに42万円支給(産科医療保障制度に加入していない病院などで出産した場合は39万円)。
「直接払い制度」※を利用する場合としない場合で、手続きが異なります。
※直接払い制度とは・・・
出産する病院が、出産する従業員や家族に代わって、健康保険に出産育児一時金の請求を直接行うことができる制度です。これにより窓口での費用負担が軽くなります。この制度を利用しない場合は、一度出産費用を窓口で全額負担した後、出産育児一時金を健康保険に請求します。
A. 直接支払制度を利用する場合
届出先:出産する病院
期日:退院まで(病院により異なります)
申請書類:指定用紙(病院により異なります)
B. 直接支払制度を利用しない場合
届出先:加入中の健康保険
期日:出産日翌日から2年以内
申請書類:健康保険被保険者(家族)出産一時金支給申請書
添付書類:「直接支払制度を利用しない」合意文書のコピー、出産費用の明細・領収書
3. 子を扶養に入れる
届出先:加入する健康保険(管轄する年金事務所または健康保険組合)
期日:出産日から5日以内
申請書類:健康保険被扶養者(異動)届
4. 出産手当金
支給期間:
産前42日(双子以上で98日)、産後56日のうち会社を休んだ期間(出産予定日は産前期間に含む)。
支給金額:
標準報酬日額※ × 2/3 × 日数分
※標準報酬日額とは・・・
健康保険で従業員ごとに設定されている「標準報酬月額」を30で割った額
届出先:加入中の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)
期日:出産のために休業した日ごとに、その翌日から2年以内
申請書類:健康保険 出産手当金支給申請書
添付書類:出勤簿、賃金台帳のコピー
育児休業中の手続き
5. 育児休業中の社会保険料の免除
育児休業中は事業主・従業員ともに社会保険料が免除になります。
届出先:年金事務所または加入している健康保険組合
期日:育児休業の開始後すみやかに
申請書類:育児休業等取得者申出書
6. 育児休業給付
支給期間:
育児休業開始日から、対象従業員が職場復帰する、もしくは子供が満1歳の誕生日を迎える日の前前日までですが、1歳の誕生日の時点で保育園に入園できない場合などに、最大1歳6か月まで延長となります(その他、育児休業を父母2人で取得した場合、「パパママ育休プラス」というしくみにより1歳2か月まで取得できるケースもあります)。
支給額:
賃金日額※ × 支給日数の50%
(平成26年4月1日以降に育児休業をする人は、休業してから最初の180日分は67%)
※賃金日額とは・・・
育児休業に入る前の6か月間の給与 ÷ 180日
支給要件:
育児休業開始前の2年間で、賃金支払基礎日数※が11日以上ある月が通算12か月以上ある場合に支給(その他、育児休業中に一定以上の出勤や賃金支払いがある場合は支給されないことがあります)。
※賃金支払基礎日数とは・・・
賃金を支給する対象となった日数のことで、給与体系で日数が異なります。
- 完全月給制の場合 = 暦日数
- 日給月給制の場合 = 暦日数―欠勤日数
- パートタイマーの場合 = 出勤日数
届出先:会社を管轄するハローワーク
初回と2回目以降で必要になる書類が異なります。
A. 初回
期日: 育児休業開始日の翌日から起算して10日以内
申請書類:
- 雇用保険 被保険者休業開始時賃金月額証明書(育児)
- 育児休業給付受給資格確認票
- (初回)育児休業給付金支給申請書
添付書類:賃金台帳、出勤簿、母子手帳のコピー
B.2回目以降(2か月に1度)
期日: 「育児休業給付 次回支給申請日指定通知書」に印字
申請書類: 育児休業給付金支給申請書
添付書類:賃金台帳、出勤簿
職場復帰後の手続き
7. 標準報酬月額の改定
職場復帰後、短時間勤務などにより給与が下がった場合、届出を出すことで標準報酬月額※の改定ができます。
社会保険料は、標準報酬月額を元に金額が決まるため(標準報酬月額×保険料率)、本来の賃金に見合う標準報酬月額への改定が迅速に行われれば、会社・従業員ともに社会保険料の負担が軽くなります。
届出先:年金事務所または加入している健康保険組合
期日:すみやかに
申請書類:育児休業等終了時報酬月額変更届
※標準報酬月額とは・・・
毎月の給与の平均をあらわしたもので、従業員ごとに設定されており、年1回、4月・5月・6月の報酬の平均で決まります。給与額が大きく変更になる場合を除き毎年9月に変更になります。
8. 子育て期間の年金ダウンを防ぐ特例措置
従業員の出産後、時短勤務などで報酬が下がったことにより、従業員が将来受け取る年金額がダウンしないための届出です。この申し出をすることで、将来受け取る年金額は、減額前の標準報酬月額とみなして年金額が計算されるようになります。子どもが3歳になるまでの特例措置です。
届出先:管轄する年金事務所
期日:すみやかに
申請書類:厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書
添付書類:戸籍抄本など(子の生年月日、従業員との身分を証明するもの)、住民票など