遅刻したものの残業代の割増分は支払う必要があるのか?

遅刻と残業

遅刻したものが、定時を超えて働いている場合(つまり残業)割増賃金を支払う必要があるのでしょうか?

労働基準法では


時間外労働については2割5分以上、
休日労働については3割5分以上

の割増賃金の支払いを義務付けています。

労働基準法で支払いが強制される割増賃金は、原則 「実働8時間を越えた部分」 に対してであり、

実働8時間に達しない部分に割増賃金を支払うかどうかはその事業場の定めにより決定されることとなります。

したがって、「事業場において定めがなければ」遅刻した時間だけ遅くまで働かせたとしても、それが実働8時間以内であれば割増賃金を支払わなくても違反にはなりません。

しかし、所定終業時刻が午後6時だった場合

6時を越える残業に対し割増賃金を支給する旨を就業規則等で 定めている場合には、

実働8時間には関係なく、6時を越えた残業に対し支払い義務が生じます。

つまり「時間外労働」とは、

  • 労働基準法でいう実働8時間を越えた時間外労働を指すのか、
  • 事業場で定めた所定労働時間を越えた時間外労働を指すのか

によって取り扱いが異なるため、注意が必要なのです。